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未知の信号を正確に表示する
正しい測定をするための準備が整ったので、これからはオシロスコープが持っている基本機能とその使い方を説明していく。
開発の現場で対面するのは、未知の信号だ。この信号に対してはこの機能を使うという、いわばマニュアル的な使い方が難しい。このため、オシロスコープが持っている基本機能を理解した上で、未知の信号に対して機能を選択しながら測定を進めていくことになる。
例えばインタフェース信号やデバイスのピンなどに代表されるように、被測定信号の多くは直流にバイアスされた交流の変化信号だ。測定中にこの直流成分が邪魔をしてしまい、適切な表示が得られないときは、入力カップリングのACというポジションを選択する(図4)。このACポジションを選択すると、オシロスコープ内部で観測信号経路にシリーズにキャパシタを挿入し、直流成分をカットして交流分のみを伝送するように測定系が変更される。
オシロスコープの初期設定では、入力カップリングはDCというポジションに設定されている。これは、直流と交流のすべての成分を観測する状態である。この他、GNDはグランドを意味し、ディスプレイ上のどこに基準電位があるのかを確認するときに使用する。
この入力カップリングに限らず、千差万別の未知の信号に対して基本的な機能とノウハウを駆使しながら測定を進めていくことになる。筆者は、これこそオシロスコープの醍醐味だと感じている。